皆さんこんにちは。フロンティア学院本厚木教室の横山です。

先日小学6年生の生徒に「分数と速さ」という単元を教えていた時のことです。

※現在の指導要領では「速さ」は5年生での学習。「分数のかけ算・わり算」は6年生前半での単元です。

その前まで分数のかけ算・わり算を問題なく解くことが出来ていた子が、急に進みが止まってしまいました。聞いてみると速さの単元がどうにも嫌いだそうです。(算数をやっていく中で「速さ」や「割合」で嫌になるというのは頻繁に起こることではあるのですが・・・)

案の定、公式が3つあって何が何だか分からなくなるのだそうです。

実はここで大きな問題があるのです。小学生に公式を覚えてもらおうとすること自体が間違えの素です。

小学生と中学生以降の大きな違いの一つは「抽象的な物事に対する理解力」の違いです。小学生はまだまだ経験が足りない。そのため、自分の経験に基づいて、経験則から方法論を体系化することができない。つまり、具体的な状況なら判断できるけど、理論的公式にすることができない。状況を事細かく指定しないとイメージができないのです。

そのため、公式の中で「時間」とか「距離」とか言われても全くピンとこない。小学生に何かを教えるためには、その都度、具体的な事例をいくつも積み重ねていく必要があるのです。

今回のようなケースも同じく、公式を説明するのではなく、「速さ」とはいったいどういう物なのか、具体的な例をいくつか挙げて、どういう物か感覚をつかんでもらいました。問題の解き方のコツや公式を覚える方法などは一切なく、実際ならどういう状況か身近な例を使ってイメージがつかめるようにしただけなのです。

その子は、その授業の最後に「先生今日やったところもう一度自分でやってきていい?すっごく楽しくなってきた。今日で速さ好きになったよ」と言ってくれました。

小学生と中学生(と高校生)では教える内容が違うのはもちろんですが、教えるべきことが違います。さらに言えば、身につけてほしいことが違います。それぞれの時期ごとに適切なものを身につけていけるように今後も指導していきたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

フロンティア学院 本厚木教室 横山直大