皆さんこんにちは。フロンティア学院 本厚木教室の横山です。

今回は大学入試の仕組みについてお話ししたいと思います。

大学入試というと大きな行動で、受験生が号令と共に一斉にペンを走らせるイメージをお持ちの方も多いかと思います。

実際に1月に行われる大学入学共通テスト(旧センター試験)や一般選抜では変わらず同じような光景が見られます。

ですが、実はこういった学力試験は大学入試のすべてではなく、一部なのです。

2020年度入試についての割合を見ると、私立大学の一般選抜での入学者についてはなんと44%。半分以上の合格者は一般選抜入試(学力試験)を受けていないのです。

残りの56%の生徒は学校推薦型入試(指定校推薦・公募推薦など)や総合型入試(AO入試)により合否が決まります。

これらの入試は入試時期も早く、大部分はおそくとも12月までに合否が決まります。

それぞれ特徴は異なりますが、今回は主に学校推薦型入試についてご説明したいと思います。

 

【学校型推薦入試とは】

まず第一に学校型推薦入試は大きく分けて2つ(指定校推薦と公募推薦)に分類されます。そして、一般選抜と違い、合格が決まった場合は、その大学に入学をしなければなりません。

 

1.指定校推薦入試:大学と所属の高校の提携により、高校内での成績が一定基準を満たしていれば推薦資格が与えられる。

指定校推薦の場合は、高校内での推薦枠の取り合いになるケースもあり、人気大学などは高校内で上位の成績でないと推薦枠を勝ち取るのが難しくなります。また、高校によっては上位の大学の推薦枠が少ないケースもあります。しかしながら、学校からの推薦を受けることができれば、まず落ちることはありません。

今は下火になりつつありますが、少し前まで付属校人気と言われていたのはこの指定校枠数が、付属校では100%~80%とほとんどの生徒が大学進学を約束されているからです。

 

2.公募推薦入試:大学の出願基準を満たし、高校の学校長の推薦を受けると出願できる。

学校内での指定校推薦枠のように高校毎に指定校数が割り当てられているわけではないので、仮に出身校が希望の大学の推薦枠を保持していなくとも出願することができます。

但し、大学によっては出願基準に厳しい条件を設定している場合もあり、また、指定校推薦と違い出願すればほとんど合格というわけではありません。出願後に「小論文」や「面接」などの選考があり、それによって合否が決まります。

 

【指定校推薦】

指定校推薦を取るためには何よりも高校内での成績=評定平均が重要になってきます。

例えば、A高校では、非常に人気の高いK大学の指定校推薦枠が2枠あるとします。その大学を志望している生徒が20名いたとしましょう。その内15名は評定平均4.5前後かそれ以下 4名は4.8~4.9 1名は5.0 といった状況だった場合を仮定してみます。

高校が新しく獲得した指定校枠でない限りは、例年の状況などから大学への指定校枠獲得の目安は分かっていますので、4.5前後以下の15名は、他の大学への指定校に切り替えるか、一般選抜入試などの他の入試方式へ切り替えます。特に、その他の指定校枠を検討する場合は、行きたい大学ではなく、行けそうな大学という思考で考えます。

逆に3枠ある中で評定平均5.0の生徒は確実に指定校枠を確保できるます。

そうすると実際の倍率は評定平均4.8~4.9の4名が残りの1枠をかけてということになります。実際には一人の生徒が他のすべての生徒の進路志望の状況を把握していることあり得ないので、学校内で希望を出して、成績会議でだれを推薦するか検討という形になります。そしてもちろん検討の際に最も重要になってくるのは評定平均値になります。

つまり、学校の成績をしっかりとっておくことが重要になってくるのです。

 

【公募推薦】

指定校推薦にとは違い、推薦=合格とはなりませんが、大学側が提示する条件基準を満たし、且つ出身校の学校長の推薦によって出願することが可能になります。多くの国立大学では、指定校推薦がない代わりに、この公募推薦制度を利用していることが多いです。大学にもよりますが、公募推薦では、学校の評定平均〇.〇以上といったような、高校成績による基準を設けているところも多く、この出願基準をクリアするためにも評定平均は非常に重要になってきます。

但し、出願後は評定平均自体はあまり重要ではなく、その後の選考課題で、「小論文」や「面接」などが課され、その成果によって合否が決まるといった流れになります。

 

【評定平均を取るためには】

高校での成績は、中学校とは違いテスト得点が非常に重要になってきます。平常点という形で定期試験以外での評価も加味されますが、それも小テストなどの結果によってみなされることが多いので、やはり、テストの点数をしっかりとっておくことが重要です。 言い換えれば、提出物や授業態度などではなく、純粋に学習内容を理解できているかが重要になってきます。

 

学校型推薦は数年来非常に割合が高くなってきています。理由については、「私立大学の定員厳格化」「大学入学共通テストの導入」「高大接続改革」などいくつか挙げられますが、結局大事なことは、いかに恒常的に学習をし続けていけるのかということなのだと思います。高校1年生の段階からしっかり意識を持ち、環境を整えて学習に取り組んでいけるようにしていかなければならないと思います。

フロンティア学院 本厚木教室 横山直大