こんにちは。伊勢原教室の清水です。

先週の土曜日は中学1,2年生を対象に定期テスト対策イベント「5教科指導ゼミ」を行いました。塾生以外の生徒さんも参加し、皆さん、3時間みっちり学年末テストに向けて、勉強してくれました。今週もまだテスト勉強を行う時間はあるので、皆さんには最後までしっかりと勉強してほしいです。

 

さて、3年生は受験も終え、先週、塾で自己採点をしました。

どの生徒も本番に物怖じせず、いつも通りのパフォーマンスを発揮し、みんな合格基準点を突破していたので一安心です(内申ひやひやでしたが、勉強において努力は裏切らないということが、今年も証明されて良かったです)。

ある女の子の生徒は、ギリギリまで苦手科目に悩まされていました。理科が大の苦手で、模擬テストや入試の過去問を解く度に、目を潤ませていました。その度に、「私は文系だから、理科は分かるようにならない」と言っていたのです。

あまりにも文系発言が多かったので、ある日、私はその子に尋ねてみました。

「Kさん、自習で勉強しているとき、何の教科やってる?」

「英語と社会です」

「自分で勉強しているとき、理科やってる?」

「やってないです」

「この前の模擬テストの理科は解き直ししてみた?」

「……やってないです」

やっぱり!

Kさんは理科ができないのではなく、やっていなかったのです。

私はKさんを担当するときの授業はすべて理科で行い、理科を勉強する時間を強制的につくりました。

苦手教科は、思い込みであることが多いです。できないと思っているからその教科を敬遠するようになり、そうすると、やらないからできない、できないからやらない……というスパイラルに入ってしまいます。

苦手なこともやってみたら、意外とできる、というのは往々にしてあります。

「ここの問題は問題文を読みながら、落ち着いてオームの法則をつかってごらん。ただの算数の計算で解けるよ」

思考をすっとばして、自分流で問題を解こうとしているので、ここでは何が問われているのかを考えるように教えてあげます。

「仕事率はその仕事を1秒間でどのくらいできるかってことでしょ。例えば、100の仕事を10秒かけてやったら、1秒間でどのくらいできる? そう、10だよね。仕事率の意味を理解できれば、使う公式も無理なく導き出せるよ」

難しいという先入観があって、思考が止まっている問題に対しては、簡略化して考えるように導いてあげます。

こういう作業を積み重ねていくと、だんだんと自力で解ける問題が増えてきます。そして、自力で解ける問題が増えてくるとうれしくなり、うれしいと他の問題ももう少しがんばってみよう……という好循環が生まれます。

この好循環と悪循環の違いは大きいです。

Kさんもぶーぶー言いながら取り組んでいくうちに、自力で解ける問題が増えてきました。問題ごとの解法パターンも覚えていきました。

過去問の点数が上がってくるのも実感するようになり、入試に明るい展望を持ちながら本番を迎えられました。

そして、自己採点ですが、理科も足を引っ張ることなく、得点をとることができ、直前期の涙目もどこへやら、合計点も自己ベストを叩き出して帰っていきました。

 

この生徒のように上手く好循環に乗れるかは分かりませんが、塾に来てくださるからには、苦手教科の悪循環を好循環にしてあげられるように指導していきたいと思います。

自分の努力で道を切り開いたKさんには、高校に入ってからも苦手教科と向き合って、人間的に成長できる学生生活を送ってほしいと思います。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。